市販のキーボードの分解、及び、右手 2 列シフト配列を試す

ホームポジションを右に2つずらせば、エルゴノミクスキーボードになる説

市販キーボードの分解

またキーボードの試行錯誤をしている。無線でコンパクトな分離式キーボードが欲しいため、テンキー ( エレコム テンキー ワイヤレス TK-TDP019BK) を分解してみたことで、パンタグラフなキーボードの原理を学んだ。

image image

パンタグラフキーボードは、メンブレンシート、台座、キーキャップなどの部品で構成されており、入力をマイコンが制御しているらしい。なので、このマイコンを Pro Micro などに差し替えてしまえば、原理的にはどんなキーボードも QMK 化できるのだと思われる。ただそのためには、 Pro Micro の端子とメンブレンシートをはんだ付けする必要があり、各端子の対応関係を知らないといけないため、回路の知識が必要になる。既に有志が解析済みの製品の回路に関しては、真似すれば何とか改造できるのだろうが、このテンキーの改造に関してはほぼ情報が無かったため、電子工作を頑張る必要があり、現在の自分にはちょっとハードルが高いなと思った。

テンキーについて理解したので、次は JIS キーボード (Arteck 2.4G ワイヤレス B08SK9QT1T) を Amazon で買って、色々検証してみた。

image

このキーボードを物理的に割れば分離式キーボードにできるのではないかと思い、分解してみたが、パンタグラフ式だと薄くするためにメンブレンシートと金属面が高度に密着されており、また外側のケースがネジではなく爪で接着されているタイプだったので、剥がす時に破損してしまった。もう少し丁寧に作業すれば大丈夫だったかもしれない。

image

最初は、このように市販のキーボードを分解していくことで、将来的に自作の分離式キーボードを作れるのではないかと期待していた。が、実際にやってみるとそうでもないように思えた。そもそも電子回路の知識が無いと改造もできないので、普通に自作キーボードの同人誌を買って、1 キーのキーボードから作っていく方が結果的に近道なのだろう。

JIS キーボードの可能性

JIS キーボードは素晴らしいと思った。自分は今まで英字キーボード派だったのだが、 Corne キーボードを使ってから、親指の可能性に気付き、親指で押せるキーが多い JIS を再評価するようになった。特に Xremap や Keyd 等のソフトウェアを使うと、「変換」キーを Enter にリマップしたり、レイヤーを設定したり、単押しと長押しで挙動を変えたりなど、拡張性が上がるので、親指で押せるキーが大いことのメリットは大きい。

また、調べていくと、ホームポジションを右にずらす「右手 2 列シフト配列」というものがあるらしい。これは斬新な発想で、右手のキーを全て右に 2 列ずらすことで、エルゴノミクスキーボードのように肩が開くようにするというものだ。エンターキーが遠いという JIS 配列のデメリットを逆用しているのが面白い。

以下は、右手 2 列シフト配列を実践している人の記事。

当然、本来は右手小指が担当していた記号キーが押せなくなってしまうので、レイヤー機能を使って代替するようだ。JIS 配列だと親指で押せるキーが増えるので、無理なくレイヤーを設定できる。

最初は Thinkpad の英字キーボードで右手 2 列シフト配列を試していたのだが、やはり JIS キーボードが欲しくなったため、Amazon で今度は Logicool の安いもの (K240) を買った。

壊してしまった Arteck のキーボードを再購入しても良かったのだが、エンターキーの左横のキーが小さく、打ち間違いをしそうなのでやめた。

このモデルはパンタグラフではなくメンブレンなので、キーキャップを外すには分解して後ろから押す必要があったが、何とかこのように交換することができた。

image

今回の実験を踏まえた、全体的な方針はこんな感じ。

Phase 1: 一旦、現状の Logicool の右手 2 列シフト配列で頑張ってみる。最近は色々変えすぎていて、生産性に支障が出てきてしまっているので、一旦今の状態で慣れる必要がある。微調整はして良いが、基本的にはいじらない。また右手 2 列シフト配列で本当に満足できるかも分からないので、一旦落ち着きたい。

Phase 2: よりコンパクトで打ちやすい JIS キーボードの入手。 Logicool のものは電源 ON・OFF スイッチが無いなど使いにくい部分があるので、もう少し使い勝手が良いものがほしい。Thinkpad Trackpoint Keyboard の JIS 版が良いかと思っているが、秋葉原にでも行って最適なものを探してこようと思う。

Phase 3: 無線・コンパクト・QMK を全て満たすキーボードを自作する 。BLE Pro Micro や Nice! 等のマイコンと、 ZMK ファームウェアで、できるはずである。ただし機材を揃えたり、勉強したりする必要があるので、 時間をかけて取り組みたい。将来的に、自作キーボードに手を出してしまうことは自分の中ではもう確定しているので、この選択肢を残しておきたい。

comments powered by Disqus
Built with Hugo
Theme Stack designed by Jimmy