現時点で満足のできるキーボードを作った で書いた通り、 Keyfuda 04 を実務で使い始めた。最初、 Bluetooth の接続が不安定になったり、 Keyd の設定やレイアウトに試行錯誤したが、かなり安定して使えるようになってきた。
その中で、自作キーボードの醍醐味と言える「軸」に関して試行錯誤した結果、散財してしまったので、メモしておく。
最初は白軸(クリッキー)
私が使っているキーボードは、 Kailh v1 Choc のロープロファイルである。 Cherry MX よりはマイナーな軸なので、選択肢はそう多くはないのだが、主に下記がある。
- 赤軸(リニア)
- 茶軸(タクタイル)
- 白軸(クリッキー) … Cherry MX での青軸に相当
- ピンク軸(?)
- スピード軸(ゲーマー用)
後ろ 2 つは、ゲームはやらないし、最初から選択肢に無かった。赤、茶、白が候補として残ったが、昔使っていた青軸キーボードが気に入っていたので、最初は白軸(Cherry では 青軸に相当) を遊舎工房で購入した。
青軸キーボードには思い出がある。23 歳、駆け出しエンジニアの私は、初めてキーボードに興味を持った。当時は HHKB をアマゾンで衝動買いして、なぜかそれをメルカリで売り、上海問屋で青軸キーボードを買った。カチカチ音がエンジニアらしいし、何より打鍵が楽しかった。当時いた会社は、新卒で入った東証 1 部上場の人材系企業で、エンジニアは従業員 1500 人のうち 5 人程度しかいなかったため、目立ちたかったのだと思う。仕事で目立つことより、キーボードの音で目立ちたいと思った自分が恥ずかしいが、それくらい必死だったのだろう。
それから 7 年経っても、音で目立ちたいという思想は変わらなかったので、 Kailh の白軸を買った。カチカチ音が楽しく、妻にも麻雀の音みたいで落ち着く(?)というフィードバックをもらい、機嫌よく叩いていた。
が、2 週間後に新幹線で作業していたら、周囲の方にうるさそうな顔をされてしまい、申し訳なく思った。ここで、私のカチカチ音に対する夢は現実に直面した。更に、実家で親の隣でカチカチやっていたら、うるさいと言われてしまったのがとどめだった。 現実問題、クリッキー軸を公共の場で使うことは不可能だろう。ノマドスタイルを維持したい自分としては、そこでストレスを感じるくらいだったらパンタグラフのキーボードで良いと思った。
ここで学んだのは、キーボードは人生の一部ということだ。単純に打ち心地だけで選んではいけない。家族、仕事、住環境、性格など、自分の人生の一部としてキーボードと向き合っていく必要がある。
クリッキーに挫折し、移行先を探して遊舎工房に行った。
次は赤軸(リニア)
遊舎工房で、色々な軸を試した結果、赤軸を購入した。茶軸とも迷ったのだが、そっちは引っ掛かる感じがしたのと、クリッキー軸の苦い経験から、茶軸よりも静音性が高い赤軸にした。
赤軸に換装して、1 ヶ月くらいは満足して使っていたものの、次の不満が出てきた。
1. 隣のキーを触ってしまう
これは Keyfuda 04 というマクロパッド(キーピッチが狭い)を無理やり分離式キーボードとして使っている自分が悪いかもだが、赤軸だと押下圧が少なくて、誤作動で隣のキーが押されてしまうことが多いように感じた。押し切った後のフィードバックも少ないので、誤作動しても自分のせいと思えないのも大きい。
2. 押した感が少ない
完全に個人の感覚だが、赤軸はなんかフニャフニャしていて、タイピングしてる感、押した感が少なく、メカニカルキーボードらしい楽しさが足りない。
上記の理由から、連休中に茶軸を買った。
茶軸(タクタイル)
Kailh の茶軸(タクタイル)は、最初はあまり好きではなかったのだが、それはタクタイルというものを私が全く分かっていなかったらしい。というのも、赤軸から茶軸に変更してから、非常に快適なためだ。
遊舎工房で試したとき、茶軸は引っかかり感があるから微妙だなと思っていたのだが、赤軸を 1 ヶ月使ってから、あの引っかかり感は非常に実用的だったのだなと感じさせられた。押した感って大事だよな。
といっても、茶軸を本格的に使い始めて 1 週間程度なので、まだ変わるかもしれない。が、今は茶軸の静音性と押した感に非常に満足している。タクタイルって素晴らしい。